すずめ日記

アメリカ田舎生活。いろいろあるよね。

メディテーション

今回は困った時の対処法についてです。

精神的に『もうおしまいだ』と思うことはありませんか?精神的とわざわざ書いたのは、私の場合全く同じ状況でも心が折れてしまうととたんに駄目になるからです。今までコーナーに追いつめられたような、もうにっちもさっちもいかない状況に何度か陥りました。労働ビザの申請がうまく行かず、どう考えてもアメリカで生き残って行く目途が立たなかったとき。生活費を稼ぐたよりにしていた仕事から外され、明日の子供達の食事を用意できるかも分からなくなったとき。自分がしていた恋愛が全く間違っていたとハタと気づいてしまったとき。そんな時でも、心さえしっかりしていれば必ずや進む道は開けるんです。

でも、同じ状況、又はもっとましな状況でも、心が『もう駄目だ』と思ってしまったら駄目なんです。例えばお財布に75ドルが入っているのを見て『あ、今週も無事に食糧を買いに行ける』と思う時と『やだ、今週食糧買っちゃったらもうおしまいだ』と思うとき、そんな違いです。引き寄せ、ではないですが後からみると、今週もオッケー!的な考え方をしている時の方がいろいろうまく行くんです。うまく行かなくても少なくとも同じ時を幸せに過ごせているんです。

要は、「気の持ちよう」なんだな、という結論に達してから、だったらどうやって心をいつも地面から5センチ浮いたような状態に保てるんだろうかとあれこれ考えたり、読んだりしてみました。

そして見つけた方法はメディテーション。日本語で言う瞑想ですが、私の軽い気持ちには英語のメディテーションという語感がぴったりです。メディテーションには興味があり、絶対によい効果があると思ってはいたもののいまいちハードルが高い、というかどんな本を読んでもしっくり来なかったのです。そんなある時、飛行場で『10%Happier』という本を見つけました。裏を見てみると『パニック障害に苦しんでいた著者がどうやって瞑想と出会って復活したか』とあり迷わず購入しました。当時はまだたまにパニック発作が起こることもあり、飛行機は機体を見るだけで目眩がしていました(飛行場にいたのは、娘達だけを飛行機に乗せるためでした)。そんな世界で一番避けたい場所で出会っただけに何か運命的なものを感じて買った本ですが、文化的な要素が多くて分かりづらかったものの、私が感じていたメディテーションハードルを見事ぐいっと下げてくれる素晴らしい本でした。

それからはいつでもどこでも気軽にメディテーションをするようになりました。だからといってハードな現実がいきなりバラ色になる訳でもなく辛いことはやってきます。でもそんな時こそ、メディテーションの出番です。とりあえず座って、直面している問題のことは考えず、頭を空っぽにしたり簡単な言葉を繰り返したり、とにかくひたすら座り続ける。そうすると、『どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう』と焦りまくっていた心がすこーしづつ落ち着きます。そうなったら後はひたすら粘って、『でもきっと大丈夫』と思えるのを待ちます。

前述した通り、一番困難なのは苦境を乗り越える方法を見つけるのではなく、立ち向かうために心をしっかり保つことなんです。そこさえできれば、後は『きっと大丈夫』。過去のことは考えても仕方ない。未来のことはもしかしたら明日死ぬかもしれないんだから心配しても仕方ない。とにかく今を大事に、幸せに。メディテーションをするようになってから、こんな風に気楽に生きることができています。