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すずめ日記

アメリカ田舎生活。いろいろあるよね。

What Makes You Beautiful.

今回は人は変われる、というお話です。今いる状況がすごくしんどくて石のように強固に見えても、信じられないかも知れないけれどそれは長くは続きません。

 

車の運転中にラジオでポップソングを聴くのが大好きです。最近のお気に入りは Shawn Mendes の "Stitches" (ちょっと古いけど)。娘達はこんな情けない男の詩がいいなんて信じられない!と言うけれど、かなり注意して聞かないと何を言っているか分からないから大丈夫(?)。ちなみに、あまりな言われようなので歌詞をチェックしてみたら、こりゃぁ情けない詩でした。彼女にふられて縫わなくちゃいけないほど辛い、と。

音楽全般に好きなのですが、ポップソングには勇気づけられたり流行っていた当時を思い出したりとなかなか心をかき乱されます。高校生のころからマドンナのマテリアルガールが大好きで、イヤフォンで大音量にして聴きながらアメリカで生活してみたいなとすごく、すごく思っていたことをよく覚えています。マテリアルガールはいまだに大好きで一日に一回は聴くのだけど、当時の夢が叶ってアメリカで聴くマテリアルガールはまた格別。

もう一曲忘れられないのは、One Direction の "What Makes You Beautiful"。ご存知ない方のために簡単に歌詞を説明すると、ある男の子が女の子に対して『君は自分がきれいだって言うことをちっとも知らなくて、それがますます君を魅力的にしている』って言う、まぁいかにも若いアイドルグループにありがちな歌、と言われてしまえばそれまでなのですが。

この歌がとても流行っていた頃、旦那さんと別居を始めました。旦那さんは日本で働くために帰国。私はわがままを言い通して、娘二人とアメリカでやっていくことに。かなりの決心ではあったけれど、突然一人で全ての責任を肩に乗せたその不安感と娘達への申し訳なさで一日一日を無事に生きていくので精一杯の日々でした。そんな時に盛んに『きれいだ、きれいだ』って言ってもらえる女の子がたとえ歌の中にしても存在することが何だか嬉しくて、同時にあぁ私はもうこういう恋愛のドキドキとか、きれいだって言ってもらってぽっと頬を染めるようなそう言うことは縁のない世界に生きているんだな、とものすごい寂寥感を覚えました。

もう一度シングルに=やった!また恋愛ができる!!というのが大方のアメリカ人の考え方だけど(多分、少なくとも私の周りは)、自分の人生に離婚という大きなバツを背負ってしまって、しかも幼い子供達にそのために辛い思いをさせているそんな私が恋愛だなんだなんて言うことが許されはずがなかろう。と言うのが当時の私の考え方。この歌を聴くたびに切なくて、そしてこれからいろんなことが起こりうる娘達がちょっとうらやましくて、『どうか私みたいにならないように。この歌みたいに言い続けてくれるいい男性と出会ってねー』と心の中でつぶやくちょっとおかしいお母さん。

しかし!人生というのはちっとも先が分からず、自分では想像もしなかったことが起こるんです。そして他人を変えることは至難の業だけど、自分自身は変えることができる。時には変えようと特別に思わなくても、気がついたら変わってたって言うことも。私のきっかけは人との出会いでした。

離婚してから男女問わずたくさんの人と出会いました。たくさんの人と話をして考えを交換するうちに、だんだんと『こうあるべき』と刻み込んだ心の中の岩が豆腐みたいに柔らかくなってきて、30代後半ってもしかして恋愛してもいいのかもと思えるようになっていました。今から振り返ると、『当たり前じゃない!30代後半なんて若い、若い!』と思うのだけど。今となっては、恋愛に年齢制限はないと断言できます。80歳になってボーイフレンドができた素敵なおばあちゃんもいるし、75歳と75歳で3度目の結婚を果たしたカップルだって。

40の今、電話を切るたびに『君はとってもきれいだよ』と言ってくれる男性と知り合えました。めでたし、めでたし。

と終われたらとってもいいのだけど、人と人が関わっていく限り問題というのは限りなくでてくる物で。まだまだ落ち着いてほっと一安心とはほど遠い今日この頃。でも、この歌を聴いて切なくなっていた頃の私を振り返ると大飛躍、と言うことで今日はよしとしよう!