すずめ日記

アメリカ田舎生活。いろいろあるよね。

どうしても、どうしても国際結婚がしたい!と言われても。

今日はちょっと困ったさんのお話です。

若い時、イタリア語を習っていました。どう言う訳でイタリア語?それはただ単にイタリアが好きだったから。始めたきっかけは簡単でも結局はまってしまい、ローマに語学留学し、そこで元旦那さんと出会って人生大きく変わってしまいました。人間何が災いするかちっとも分かりません。

と言うのは脱線です。で、そのイタリア語のクラスの中で親しい友人ができました。女ばかりの4人組、当時の私からすると私以外はみんなバリバリ働くお姉さん達ばかりで仲間に入れてもらうのがとっても嬉しかったのです。20年近くを経た今でも仲良くしてもらっていますが、私が結婚出産離婚と人生の山や谷を超えている間お姉さん達は何も変わらず、今も出会ったときと同じ職場で同じようにバリバリ働いています。独身のまま。

その中の一人に、当時からずっと『結婚するなら外国人がいい』と主張し続ける人がいます。彼女自身は海外生活経験がある訳でも、どこかの国の言葉が堪能な訳でもありません。ただ、自分には外国人が合っているって言うんです。でも、外国人と一括りにしても、アフリカ人からアメリカ人までありとあらゆる人がいるだろうにとよく分からなかったのですが、話を聞くと彼女の言う『外国人』=欧米人、なんです。

欧米人と結婚したいって言う人は確かにいます。映画で見るように、きっと紳士でロマンティックで優しくて、いつも花を買って来てくれてどこにいようと気分が盛り上がれば抱きしめてくれる、そんな残念ながら日本では探すのがちょっと難しいだろう男性を頭に思い描いてあこがれるって言うのも分かりますが、たいていみんな年を重ねるごとに(又は実際欧米人と付き合ってみて)、現実はそんなピンク色の世界だけじゃないって気がつきます。でも、最近薄々と感づいて来たのですが、この友人はいまでもあこがれの世界を想像しているようなのです。日本人男性には受け入れてもらえない自分のこんな点、あんな点を欧米人なら気にしないで受け入れてくれて、幸せにしてくれるはず、と。

彼女と出会って既に20年近く。この間、何も変わらず突っ走って来れたそのパワーはすごいと思うしできたら理想の男性と幸せになってもらいたい。でもね、彼女はやっていることがちぐはぐで、例えば目標とする国の男性が変わると学ぶ言語も変わるんです。今まで何カ国語にトライしたことか。この20年間、もし一つの言語にこだわって勉強し続けていれば今頃その国に移り住んで理想の相手をゲットしていたかも知れない。でも彼女の発想は、まずはさわりを勉強して相手を見つけ、移住してそれからもっと話せるようになるって言うものすごく危ういものなんです。そのプランは残念ながら100%うまく行きません。同じ発想で結婚までこぎ着けた友人は存在しますが、今のところ皆苦労したあげく、離婚したりされたりしています。自殺した友人もいます。

ちなみにこの20年間、何もなかった訳ではありません。彼女なりに相手を見つけ、相手の国に会いに行ったり、結婚すると決めたり。でもどうもいつも端から見ていてかなり無理があるんです。で、いつもその無理が最後に具体化して(それまで気がつかないのか、気がつかない振りをしているのか分かりません)うまく行きません。どうしてだろうねーと他の友人と話していると、その友人がぽつりと『彼女さ、相手個人が好きって言うより相手が外国人だって言う事実が好きって言う感じだよね』って言うんです。それを聞いて、すーっと霧が晴れるような気がしました。そうなんです。恋愛って、人を好きになるって、そう言うことです。相手と自分の間にあるケミカル。それさえあれば、相手がなに人だろうが、どんな仕事をしていようが、背が高かろうが低かろうが関係ないんです。

残念ながら、私の友人は『国際結婚』という形にとらわれすぎて、人と人とが惹かれあう、恋愛で一番大事な部分が見えてないんです。

私の中では、長年のもやもやがすっきりしたけど、でもこれって本人に言うべきかなぁ。